第4氷河期の中頃に、最初に、オーストラリア大陸に住み始めたのが、アボリジニの祖先です。
それは、今からおよそ6〜4万年も前のことで、彼らは、ニューギニアから、歩いてオーストラリア大陸に渡ってきたと推測されています。
現在は、トレス海峡によって隔てられているオーストラリア大陸とニューギニアですが、当時は陸続きでした。
そのため、アボリジニの祖先は、島から島へと飛び石を渡るようにして、アジアからオーストラリア大陸へ移動してきたと考えられています。
その後、今からおよそ2万年前の解氷期に、海面が上昇し、オーストラリア大陸は再度、孤立した大陸となりました。
このようにして、オーストラリア大陸に住み着いた先住民アボリジニには、長い歴史の中で育まれた独自の文化や風習があります。
その中のひとつ、「ドリーミング・ストーリー」は、アボリジニの独特の宇宙観が織り成す天地創造の神話です。
神話では、精霊と大自然と動物達によって、アボリジニの祖先が創造され、それがオーストラリアの「ドリームタイム」の目覚めだとされています。
また、アボリジニ特有の楽器「ディジュリドゥー」は、世界最古の管楽器のひとつとされる説もあります。
ディジュリドゥーは、宗教儀式やヒーリングのための演奏に使われると言われています。
オーストラリアでは、観光客が、ディジュリドゥーなどの楽器を使った演奏や、アボリジナルダンスを鑑賞できる場所もあります。
ディジュリドゥーに施されたアボリジナルアートは、ドリーミング・ストーリーをモチーフにして、カラフルで美しく、ブーメランと共に、人気のオーストラリア土産に数えられます。
どこの国や地域でも、人種や民族の差別があるように、オーストラリアの社会でも、それは例外ではありません。
2008年2月13日に、ケビン・ラッド首相が、議会でアボリジニへの謝罪を行いました。
白人の入植から、2世紀にも及ぶアボリジニの人々への不当な行為に対する謝罪です。
それは、『歴代の議会・政府の法や政策が、我々の仲間であるアボリジニに多大な悲しみ、苦しみ、損害を負わせたことを謝罪する』という内容でした。
この歴史的瞬間が、アボリジニの人々にとって、真の意味での新たなる時代への夜明けとなるように祈りたいものです。